まこら先生の水事情 その1
ひと昔、いやふた昔前は、ウサギにお水をあげてはいけない、あげなくてよいなんて言説がまかり通っていたようですが、未だにその説を支持する人は、少なくとも現在うさぎを飼っている方にはいらっしゃらないはず。
体内に取り込んでしまった毛や、老廃物、そして不要なカルシウムを排出するためにも、ウサギにとって水分補給は大変重要なもので、ペレットやチモシー選び同様に、どのような水をどのように飲ませるのかというのは、うさ飼いにとって非常な関心事かと思います。
まこら先生ご幼少のみぎりのケージのしつらえ
日本においては、その浄水技術の高さ、そしていわゆる軟水であることから、一般的に与える水は水道水でよいといわれています。我が家についていえば、もともと浄水器が設置されており、まこら先生にも浄水を飲ませています。浄水の場合、カルキを除去している分悪くなりやすいため、朝晩必ず交換しています。
なお、必要な栄養素は食べ物で補ってもらえばよいという考えから、水には特に何も混ぜていません。ボトルが不衛生になるのを避けたいというのも大きな要因です。カビの生えてしまった水を飲んでかえって体調を崩させては元も子もないですし。
どのような水をあげるかについては、上記のとおりすんなり決まったのですが、どのように水を与えるかについてはそう簡単には結論が出ませんでした。どうすればまこら先生の負担なく、飲みたい時に飲みたいだけ飲んでもらえるのか。
同じように悩んでいるうさ飼いさんはたくさんいらっしゃるのではないかと。
あいにく悩めるうさ飼いさんに画期的な提案はできませんが、ご参考までに、下僕宅の試行錯誤状況をダイジェストでお届けいたします。
ノズル式(ベアリングタイプ)
まこら先生お迎え時、衣食住すべてについてお店の環境を完コピしたため、飼い始めは、お店で使用していた給水器をそのまま踏襲しました。
お迎え時のセッティング(前日に設営)
こちらです。三晃商会のアクアチャージャー。(予備含めて2つ持ってます)
ノズル口があまり低すぎても高すぎても飲みづらいので、先生の飲みやすい高さとすべく、成長期はケージの設置場所を少しずつ高くしました。
お迎え後2週間くらいの先生。ちっちゃい…❤︎
この給水器については、朝晩きれいに洗うこと、水をいっぱいまで入れること、設置する前に必ずベアリングをさわって水が出るかどうか確認すること、これらの点を守って、これまで何のトラブルもありませんでした。
ウサギの福利からは思い切り脱線しますが、うさぎさんが目を細めて上向きがちに飲んでいるさま、すごくかわいくて絵になるんですよね。ベアリングをカチャカチャさせる音と、コキュコキュと喉を鳴らす音が聞こえてきて、ああ、ちゃんとお水飲んでくれている、と飼い主を幸せ気分にさせてくれます。
先生、かわいい…❤︎
だがしかし。
このノズル式給水器の問題点として、ノズルの先で舌を傷つけるうさぎがいること、一回ごとに飲める水の量が少ないこと、水を飲むためにやや無理な姿勢をするため、疲れて飲むのをやめるウサギがいることがあるといわれています。
やや飲みにくそうな先生(すぐ調整しました)
それは困る。
まこら先生のかわいい舌が傷ついていたら!
ディッシュ式
お皿からの飲水ならば、高ささえ調整すれば自然な姿勢で飲めますし、一回ごとの飲水量も増えるし、飲み疲れすることもなく、気のすむまで水を飲んでももらえる!
問題は、お皿に水を入れてそのまま置いておくと、足を入れて濡らしてしまったり、ひっくり返されるリスクがあること。安定感のある大きなものならよいのかといえばそうでもなく、今度はその広さからトイレットスペースとみなしてしまううさぎさんもいるとか。
これらを回避すべく、ケージに取り付けられる小皿タイプを探してこちらにたどり着きました。
またしても三晃商会のディッシュドリンカー。先生のケージ三晃商会なんで。
なお、別メーカーでカルシウム除去機能付きというドリンカーもありましたが、水に含まれるカルシウムまで除去する必要を感じなかったことと、むしろそのような付属品に細菌やカビが発生した場合の有害性の方が高すぎると判断し、導入しませんでした。カルシウムのことを必ず排除しなければならない悪の権化とみなすのは危険な気がしております。このあたりはまた別の機会に。
閑話休題。
ものが決まれば善は急げ、いそいそと購入していそいそとりつけました。
先生も程なく飲んでくれまして。わあい。
ディッシュ式ドリンカーから飲むまこら先生の超貴重な映像。貴重な理由は後述。
ところでこのタイミングで、長年まこら先生のくつろぎスペースになっていた2階のステージを撤去して、木製ハウスを導入しました。
もともと使っていたステージは樹脂製で乗り降りする際にちょっと滑っていて気になっていたのに加え、ディッシュ式の給水器を程よい高さ、すなわちケージの格子の最下段に設置するためには、ステージを撤去しないとうまくいかなかった(ケージの扉は最下段の幅が狭くてディッシュが入らない)ということがありまして。
木製ハウスについては、事前に半月くらい部屋んぽ時に部屋に置いて遊んでもらってましたので、スムーズに馴染んでいただけました。
先生:(水ばっかり要らんぞ!おい外に出せ!)
ケージ内の配置まで変えて設置したディッシュ式給水器ですが、すぐ飲みだしてくれて喜んだのもつかの間、小さなお皿であるにもかかわらず、牧草や糞(!)が飛び込むという事件が頻発することに。気づいたらすぐ洗って水を交換していたものの、程なく全く飲んでくれなくなり、その後1か月ほど未練がましく置いていましたが結局撤去しました。
*両方取り付けていた頃、ノズル式を選択する先生
このほかに感じた問題点はこちら。
- プラスチック製のお皿の部分が曲線ではなく角の多い構造であるため、コーナー部分の汚れが取り去りづらい。プラスチックなので、力任せにごしごし洗うわけにもいかず、結果として、気を抜くといわゆる赤カビ(実際はカビではなくピンク色の酵母)が繁殖する。
最終的に撤去したのはこのためなんですよね。飲んでくれてなかったためやや気を抜いていたのかもしれませんが、朝晩洗っていたのに四隅がうっすらとピンク色になっていて慌てました。昔の(今も?)弁当箱なみにコーナーが洗いづらく、隅々まで綺麗にするのがとても大変!プラスチックなので力任せにゴシゴシ洗うわけにもいかず厄介でした。毎回洗剤で洗うのにも抵抗があり。せめて曲線の構造にしたらいいのに‥。
お水を張っている時の様子はこんな感じで。
わかりますでしょうか、ディッシュ部分の特に奥のほうがカクカクといちいち角張っているため、超洗いづらい構造になっています。
ディッシュ式自体は良いものだけれど、現行のものではその構造上、ノズル式より不衛生になってしまう。
代替案を思いつけず、その後まこら先生の去勢まではノズル式に戻っていました。
サイフォン式
去勢については数回に分けて記載しましたが、エリザベスカラーを付けた状態で60センチケージに閉じ込めるのは忍びなく、去勢後からケージの扉を外し、サークル内で自由に過ごしてもらえるようにしました。
ノズル式の給水器はもともとケージの扉側に設置しており、部屋んぽ中は扉ごと外して外に立てかけていたのですが、ケージを開放した後は、倒れないように固定したうえで、扉ごとサークルのわきに設置しています。
先生に広々生活をしていただけるようになり、スペースの問題で除外していた候補が再浮上してきました。
これです。
洗いやすい曲線の形状。安心して熱湯消毒できる陶器製。完璧❤︎
水の入る皿の部分は小さいので、まこら先生が誤って足を突っ込んだりするリスクは小さいし、この形状から、トイレに利用されるリスクもなく。
先生もすぐなじんで気に入ってくれた様子。
先生:(飲みやすくてよいな。)
*ケージの端にディッシュ式ドリンカーの部品がなぜかまだ付属。
食い散らかし、お水も飲んでくつろぐ先生
これで最終解決!よかったねまこら先生!となるはずが。。。
何が起きたのかは次回にて!